2025.11.1
リード照明は私たちの住まいにおいて、単に空間を明るくするだけでなく、心地よい生活環境を作り出す重要な要素です。
夕暮れ時、スイッチを入れた瞬間に広がる優しい光に、一日の疲れが和らぐ経験をされた方も多いのではないでしょうか。
近年では、LED照明の普及や照明器具の技術進化により、私たちの選択肢はますます広がっています。
この記事では、ファミリー層から高齢者の方まで、誰もが快適に暮らせる住まいの照明選びのポイントをご紹介します。
照明デザインとは、光を素材として用い、空間の雰囲気や目的に合わせた光環境を造ることです。
適切な照明を工夫することで、過ごしやすさや機能性、安全性を向上させることを目的としています。
例えば、キッチンで料理をする際には明るく手元が見やすい光が必要ですし、リビングではくつろげる柔らかな明かりが心を和ませてくれます。
照明デザインは、インテリアデザインや建築そのものの設計とも密接な関係があり、住まいの印象を大きく左右するのです。
適切な照明環境は、私たちの生活の質を直接的に向上させます。
明るすぎず暗すぎない、目的に合った光は、視覚的な快適さをもたらすだけでなく、気分や活動性にも良い影響を与えます。
お子さんの勉強や読書には集中力を高める明るい光が、就寝前のリラックスタイムには心を落ち着かせる温かみのある光が適しているのです。
また、高齢者の方にとっては、適切な明るさと照明の配置が安全な移動をサポートし、快適な生活環境づくりに欠かせません。
当社施工事例・暗さを楽しむスポットライト
照明デザインを考える上で、まず知っておきたいのが自然光と人工光の違いです。
自然光は太陽など自然に由来する光で、時間の経過とともに変化します。
窓の位置や大きさを工夫することで季節感を演出できますが、天候による照度変化への考慮も必要です。
一方、人工光は室内照明などによる可視光線のみで構成された光で、一定の明るさや色を保つことができます。
夜間はもちろん、曇りの日や雨の日など自然光が十分でない時にも、安定した明るさを確保できる利点があります。
理想的な照明環境を作るには、自然光と人工光をバランスよく組み合わせることが大切です。
特に高齢者の方は、加齢に伴い必要な光の量が増える傾向にありますので、昼間でも補助的な人工照明を上手に取り入れると良いでしょう。
照明器具を選ぶ際には、使用されるランプ(光源)の種類を理解しておくことが重要です。主に白熱電球、蛍光ランプ(蛍光灯)、LEDランプの3種類があります。
白熱電球は温かみのある光が特徴ですが、環境対策のため現在では入手が困難になっています。
蛍光ランプは白熱電球に比べて寿命が長く消費電力が少なく、「昼光色」「昼白色」「電球色」の3色から選べるのが特徴です。
均一に明るく照らせるため、子ども部屋や作業部屋などに向いています。
現在の主流となっているLEDランプは、蛍光ランプよりさらに寿命が長く消費電力が低いのが特徴です。
初期費用は高めですが、長寿命でランニングコストは低く、結果的にコストパフォーマンスは高いと言えます。
お子さんのいるご家庭でも、熱くならず安全性が高いLED照明は特におすすめです。
当社施工事例・ペンダントライトとガラスシェード
照明デザインには直接照明、間接照明、建築照明という3つの手法があります。
それぞれの特徴を理解して、目的に合わせて選びましょう。
直接照明は、光源から照射した光が直接被照面に広がる方式です。
部屋全体を均一に照らすシーリングライトや、特定の場所を照らすスポットライトなどが代表的です。
明るく照らせる反面、影ができやすく、眩しさを感じることもあります。
リビングのメイン照明や、お子さんの勉強スペースなど、はっきりとした明るさが必要な場所に適しています。
間接照明は、壁や天井などに光を当て、反射光で空間を照らす方式です。
柔らかい雰囲気を演出でき、リラックス効果も高いため、リビングや寝室などに用いられます。
特に高齢者の方には、夜間のトイレや廊下などに間接照明を設置すると、眩しさを抑えながらも安全に移動できる環境を作ることができます。
建築照明(建築化照明)は、光源を床や壁、天井などの建築要素に組み入れ、照明器具自体を見えないようにする方式です。例えば、天井の折り上げ部分に照明を埋め込むと、天井全体が光っているような効果を生み出します。
この手法は、光が干渉することで柔らかく心地よい光を生み出し、空間を広く穏やかに見せる効果があります。
ホテルやレストランのような高級感を演出したい空間に用いられることが多いのですが、住宅でも新築やリフォームの際に取り入れることで、住まいの価値を高めることができます。
ただし、建物の設計段階から計画する必要があり、専門家の協力が必要となりますので、検討される際は早めの相談をおすすめします。
当社施工事例・シーリングライト
リビングは家族が集まり、くつろぎの時間を過ごす大切な空間です。ここでは「全体照明」「部分照明」「アクセント照明」の3層の照明を組み合わせると、快適な空間になります。
全体照明はシーリングライトなどで部屋全体を均一に照らします。調光・調色機能付きのものを選べば、時間帯や活動に合わせて明るさや色味を調整できて便利です。部分照明はフロアライトやテーブルランプなどで、読書や手芸などの作業スペースを集中的に照らします。アクセント照明は間接照明などで、空間に奥行きや温かみを加えます。
ファミリー層の方には、子どもが遊ぶ際の安全性と、大人がくつろぐ際の落ち着いた雰囲気の両立が重要です。調光機能付きの照明なら、子どもの遊び時間は明るく、就寝前の読み聞かせ時間は少し暗めにするなど、シーンに合わせた調整ができるでしょう。高齢者の方には、眩しさを抑えた間接光と、新聞や雑誌を読むための十分な明るさの部分照明の組み合わせがおすすめです。
本文寝室の照明は、安眠を促進し、朝の目覚めをサポートする重要な役割を持っています。寝室では基本的には柔らかな間接照明をメインに考え、就寝前の読書などには部分照明を活用するのが理想的です。
就寝前は体内時計の関係から、暖色系の柔らかい光に設定すると睡眠の質が向上すると言われています。白熱電球のような温かみのある光が理想的ですが、現在ではLEDの電球色を選ぶことで同様の効果が得られます2。小さなお子さんがいるご家庭では、夜泣きへの対応や授乳などの際に、眩しすぎない程度の微かな灯りがあると便利です。調光機能付きの間接照明や、コンセント式の小さなナイトライトなどを活用しましょう。
高齢者の方は、夜間のトイレ利用などを考慮して、足元を優しく照らすフットライトの設置も検討すると良いでしょう1。また、朝は自然な目覚めをサポートする、徐々に明るくなる機能を持つ照明も便利です。
キッチンや作業スペースでは、安全で効率的な活動をサポートする機能的な照明が重要です。特に調理台や作業台の上には、影ができにくい均一な明るさを確保することが大切です。
キッチンには、天井の全体照明に加えて、作業台の上に設置するキッチンライトが有効です。包丁を使う作業や細かい調理の際に手元をしっかり照らすことで、安全性が高まります。蛍光ランプは均一に明るく照らせるため、キッチンの作業灯として適しています2。LED照明を選ぶ場合は、演色性(色の見え方)の高いものを選ぶと、食材の色を正確に判断できて便利です。
高齢者の方には、スイッチの位置や点灯方法にも配慮が必要です。センサー式のライトや、声で操作できるスマート照明なども、両手がふさがっている時や、動きに制限がある方には便利でしょう。ファミリー層の方は、お子さんが安全に台所を使えるよう、十分な明るさと操作のしやすさを重視した照明計画を考えてみてください。
当社施工事例・吹き抜けにはダイナミックなシャンデリアが照明の主役に
年齢を重ねるにつれて、私たちの目は同じ明るさでも以前ほど明るく感じなくなります。60歳以上の方の住まいでは、一般的に若い世代よりも20〜30%ほど明るい照明が必要だと言われています。ただし、単に明るくすれば良いわけではなく、眩しさを抑える工夫も大切です。
照明器具にはグレアカット(眩しさを抑える)機能を持つものを選び、光源が直接目に入らないよう配置を工夫しましょう。また、影が強く出ると躓きの原因になることもあるため、光が均一に広がる照明や、複数の照明で空間を照らす方法も効果的です。特に階段や廊下、玄関など移動の多い場所は、安全面を考慮した十分な明るさの確保が重要です。
子育て世代のご家庭では、お子さんの年齢に合わせた照明計画が重要です。乳幼児のいる家庭では、夜間の授乳や消灯後のチェックのために、調光可能な間接照明が便利です。幼児期から学童期になると、遊びや学習のための適切な明るさが必要になります。
特に勉強机の照明は重要で、手元を十分に明るく照らしつつ、画面や紙面への映り込みがなく、目に優しいものを選びましょう。デスクライトは左利きの場合は右側から、右利きの場合は左側から光が当たるよう配置すると、手の影が作業の邪魔になりません。LED照明は熱くなりにくく安全性が高いため、お子さんの部屋にも適しています。
当社施工事例・調光できる照明でリビングでくつろぎを
照明は住まいの機能性と快適性を左右する重要な要素です。適切な照明計画により、家族全員の健康と幸福感を高め、日々の生活をより豊かなものにすることができます。
照明選びでは、使用する部屋の目的や、そこで過ごす人の年齢や好みを考慮することが大切です。また、自然光と人工光のバランスや、直接照明と間接照明の組み合わせによって、快適な光環境を作ることができます。LED照明の普及により、省エネでありながら多様な光の表現が可能になった今、照明デザインの重要性と可能性はさらに高まっているのです1。
まずは自宅の各部屋の照明を見直し、用途や家族の年齢に合わせた改善点を考えてみてはいかがでしょうか。一度に全ての照明を変える必要はありません。例えば、最も長く過ごすリビングの照明から見直すなど、優先順位をつけて少しずつ改善していくのも良いでしょう。光のある暮らしは、毎日の生活に安らぎと活力を与えてくれます。ぜひこの機会に、ご家族みんなが心地よく過ごせる照明環境づくりを始めてみてください。
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